大原訴訟の意義
大原訴訟が獲得したもの
本ホームページを作った理由
人は必ず助けてくれる
闘いは続けなければならない

運動の流れ
年表
点字ブロックの普及

あのとき、こんなことが・・ 大原訴訟 エピソード集
あのとき、こんなことが…
 (仲間たちの会合)



訴訟資料集
各審級の判決等の訴訟資料を掲載する。
また、大原訴訟は法学の世界でも 注目を集めていた事件であった。
当時の判例集や論文についてのまとめや コメントを付した。
著作権の関係で、文献を掲載することはできないが書誌情報をあげておくので、詳細に興味のある方は 直接文献を当たっていただきたい。
判決文
第一審 判決文
 [wordファイル]
 [PDFファイル]

控訴審 判決文
 [wordファイル]
 [PDFファイル]

上告審 判決文
 [wordファイル]
 [PDFファイル]
判例評釈・論文
作成中

新たな動きのために
 作成中

サイト内検索




※写真はイメージ画像です。

「大澤さんは自由軒のカレーをおごってくれた」


少し、横道にそれた話をしよう。
大原さんから訴訟の依頼を受けたとき、当時、司法修習生であった下村君に、一緒にこの訴訟をしないかと持ちかけた。
当時、刑法を変えようという動きがあり、犯罪を行わなくても、そのおそれがある人を社会から隔離しようという《保安処分》の導入が検討されていた。
そんな動きに反対する勉強会を作ったが、裁判所書記官や事務官とともに下村君も参加していた。
弁護士費用も出ず、経費持ち出しで、しかも勝つかどうかもわからないという大原訴訟だが、下村君ならきっと参加してくれるという思いがあったのだろう。
結局、彼は、訴訟を始める前の調査の段階から和解で終わるまでの13年間、それこそ最初から最後まで、訴訟を支えてくれた。
提訴前の調査のころだったか、はっきりした時期は忘れたが、彼と一緒に大阪難波の千日前に行ったことがある。
今は影も形もないが、電気製品や雑貨などのたたき売りの店を眺め、パチンコ屋の店前で開始と同時に店内になだれ込む人たちを見て、ここにも人生があるなぁ・・などとつぶやいたりした記憶がある。
《腹が減った、飯でも食うか》という話になった。
彼を千日前の「自由軒」に連れて行った。
小学生のころ、親父に連れられて来たのが最初であり、死んだ家内と司法試験の合格を祝ったのもこの店でのことであり、自分にとっては思い出深い店でもある。
数年前、森山未来が主役となったNHKの「夫婦善哉」というドラマをしていたが、その中で、主人公が《カレーをまぶしたこの店のカレーがおいしい》というようなことを言ったのを、愛人である蝶子が思い出す場面があった。
店内の一番、奥の壁に「夫婦善哉」作者の織田作之助の写真が貼ってあり、《トラは死んで皮をのこす 織田作死んでカレーライスをのこす》と書かれている。
そのカレーは、ご飯とカレーを混ぜ合わせ、真ん中に卵を落としたもので、「インディアン」(今は「名物カレー」という)というが、当然、それをおごった。
後に、彼がこんなことを言ったことがある。
《普通の弁護士なら、腹が減ったときには高級フレンチや新地に連れて行ってくれる。大澤さんは自由軒のカレーをおごってくれた。》
名物カレーは今、750円(昨年はたしか680円だった)なのでどう考えても高級とは言いがたいし、最近はなぜか、中国人が大変多い、きわめて庶民的な店である。
人の言葉の真意はわかりがたいが、下村君の言葉は、まぁ、《大澤さんは庶民的だ》というほめ言葉と理解しておこう。
(弁護士 大澤龍司)