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あのとき、こんなことが・・ 大原訴訟 エピソード集
あのとき、こんなことが…
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訴訟資料集
各審級の判決等の訴訟資料を掲載する。
また、大原訴訟は法学の世界でも 注目を集めていた事件であった。
当時の判例集や論文についてのまとめや コメントを付した。
著作権の関係で、文献を掲載することはできないが書誌情報をあげておくので、詳細に興味のある方は 直接文献を当たっていただきたい。
判決文
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大原訴訟が獲得したもの

大原訴訟で獲得したもののうち、大きな点を上げれば次の3点です。

① 国鉄には点字ブロック設置義務があるという上級裁(大阪高裁)の判決を勝ち取った。
② 近くに視覚障害者のための施設のない普通の駅でも、転落の危険が予想される限り、点字ブロック等の設置をする法的責任があることを認めさせた。
③ 視覚障害者の証人宣誓書の署名を点字ですることを認めさせ、また、法廷での手話通訳を認めさせる等、裁判における障害者の権利を現実化させた。


 以上の3点を簡単に説明します。
 まず、大原訴訟は、控訴審という上級裁判所において、日本で初めて、点字ブロックの設置が必要だという画期的な内容の判決を獲得したものです。
 当時、ほぼ同時期に、東京の山手線の高田馬場駅で転落し、列車に轢かれ死亡した上野さんに関する訴訟(以下、上野訴訟といいます)が提起されておりました。同訴訟は1審で勝訴しておりましたが、その後、控訴審で和解で終了してしまいました。

 大原訴訟は控訴審だけではなく、最高裁まで戦ったという意味では、徹底して訴訟を追及した訴訟です。
 上野訴訟との関係で言えば、最も大きな相違点は、上野訴訟の高田馬場駅は近くに視覚障害者施設があったのに対して、福島駅にはそのような施設が全くなかったという点でしょう。

 そのため、上野訴訟第一審判決は、近くに視覚障害者の施設がある駅にしか当てはまらないのに対して、大原訴訟においては近くにそのような施設がなくても、転落の危険性がある限り、どんな駅にもあてはまる応用範囲の広い(弁護士用語では射程距離が長いという言い方をします)判決を獲得したものと言えます。

 普通の駅でも点字ブロックの設置が必要であるという画期的なものであったことから、この控訴審判決は朝日新聞等の全国紙の一面記事で報道されました。
 このような高裁が法的義務ありとして判決した結果、点字ブロックの設置は一気に進み、全国各地に設置されるようになりました。

 最後に③の点字での宣誓書への署名もおそらく日本では前例がなく、大原訴訟が最初のケースでしょう。
 それまでは証人である視覚障害者の氏名を他の人が代筆する、あるいは予めタイプしておき、視覚障害者は捺印をするだけという扱いでした。
 大原訴訟では証人として出廷した楠さんや三上さんらの視覚障害者は点字で署名をしました。
 このように点字による署名が正式に裁判所に認められたという意味でも、この訴訟は画期的なものでありました。
 また、法廷での手話通訳もおそらくそれまで、他の裁判所で認められたことはないと思います。


 大原訴訟は、視覚障害者だけではなく、聴力障害者の訴訟にも新たな扉を開いた裁判といえるでしょう